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TBSドラマ「カルテット」で主演の松たか子らが歌う主題歌「おとなの掟」が美しい... 作詞・作曲の椎名林檎が天才の切れ味で魅せる *追記 なぜ、サビが転調に聴こえるのか? その秘密を考察する

2017
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毎週火曜日のPM 10:00から放送中のTBSドラマ「カルテット」。

弦楽四重奏団(カルテット)を組むことになった4人の人間模様を描いた作品で、
ドラマと言うより舞台劇のような、緻密なセリフの応酬が魅力です。

また、毎回登場する演奏楽曲もユニークで、シューベルトの「アヴェ・マリア」や
スメタナの「モルダウ」など、クラシックの有名曲はもちろんのこと、ヤン・ティルセン の「La Veillee」や、
ペンギンカフェオーケストラの「Music for a Found Harmonium」、さらにはクラシックでも渋めの
ガスパール・カサドの「無伴奏チェロ組曲」など通好みの曲が多いのが特色です。


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しかし、この番組の最大の魅力は何と言ってもエンディングのテーマ曲「おとなの掟」です。
椎名林檎さん作詞・作曲のこの曲は、出演者の松たか子さん、満島ひかりさん、高橋一生さん、
松田龍平さんがカルテット名「Doughnuts Hole」名義で歌っています。

「アナと雪の女王」で「LET IT GO」を歌った松たか子さん、元Folder5の満島ひかりさんらの
ボーカルの素晴らしさもさることながら、作曲の椎名林檎さんの独自の世界観にあふれた楽曲が美しく、
今ではこのエンディングを聴くのが楽しみでドラマを見ているほどです。


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特にサビの部分のコードとハモりが美しいです。
「なんて変わったコード進行なんだ」と思ってキーボードで確認したら、
以外にも短調ではオーソドックスな進行でした。

なのに、なぜ、あのようにとんでもない転調でもしたかのように聴こえるのでしょうか…?
旋律の乗せかた? ハモりの音の取りかた?

色々、考えても結局は椎名さんの天才的な感性によるものとしか言いようがありませんでした。
聴いていてこんなにゾクゾクする歌は久しぶりです。


https://www.youtube.com/watch?v=cwg6ILsn8cI
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*追記 なぜ、サビが転調に聴こえるのか? その秘密を考察する

この記事を書いたあと、サビの異様な魅力の秘密が気になり、ずっと考えていました。

「おとなの掟」のKey(主調)はC♯minor(嬰ハ短調)。

そしてサビの「手放してみたいこの両手塞いだ知識」で、同主調のC♯major(変二長調)に転じます。
しかし、この転調は曲にアクセントを与える一過性のもので、
完全な意味での「転調」とは捉えていませんでした。

例えるなら西城秀樹さんの「傷だらけのローラ」のサビや、
谷村新司さんのいくつかの曲に見られるような、
一時的に次のコードのドミナントの役割を果たすだけの意味だと捉えていたのです。





ですが、「傷だらけのローラ」と「おとなの掟」のサビは明らかに聴こえ方が違う。
「おとなの掟」はどう聴いても、完全に転調しているとしか聴こえない…。


サビ冒頭のC♯major(変二長調)から次のF♯minor(嬰へ短調)に移った瞬間に、
最も強く「転調した」と感じるので、F♯minorにばかり気が向いていました。


しかし、ふと気づいたのです。

曲全体から見れば転調しているのはむしろ、C♯major(変二長調)の方だったと…。


The Beatlesに「Michelle」という有名な曲があります。



「Michelle」のKeyはFmajorで、次のB♭m7でいきなり転調しています。


「おとなの掟」のサビは、むしろこの転調と同じ意味合いだったのです。
「手放してみたいこの両手塞いだ知識」が始まった瞬間、
この曲は一度、完全にC♯major(変二長調)の曲として、再スタートを切っているのです。

それを決定づけるのが、松たか子さんが歌う主旋律のスケールで、
C♯major(変二長調)の音階をトニック(基音)から順に上昇することで、
もう、C♯major(変二長調)以外には聴こえない、という土壌を生み出しているのです。

そこへ、C♯majorのコードファミリーにはない、F♯minorが突然登場し、
旋律のスケールも短調に切り替わることで、ゾクッとする転調効果が生まれています。


*ちなみに「傷だらけのローラ」のサビは、途中の長三度から旋律が出発しているので、
C♯major(変二長調)の音階の完全な再現とはなっていません。
従って、実質は一度も完全に転調していないことになり、特に違和感もないまま曲は進行していきます。


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つまり、「おとなの掟」のサビの魅力の秘密は、「ビートルズコード」にあったのです。
ビートルズにはこうした奇抜な転調が多々あります。

「Michelle」と同じくPaul McCartney作曲の「She's Leaving Home」では、
KeyのEmajorから2小節目のBm7で、すぐさま転調しています。

ビートルズの音楽をこうした本質的な意味で血肉化したアーティストは、
日本では椎名林檎さんと奥田民生さんぐらいではないでしょうか?


… ちなみに、椎名林檎の「林檎」は、リンゴ・スターの名から拝借したと聴いたことがあります。
椎名さんは過去に「Yer Blues」や、ジョンのソロ曲「Starting Over」をカバーしています。


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